全員参加による地域未来創造機構では2023年度に20のアソシエーションにヒアリング調査を行いました。その内容をアソシエーション情報でご紹介します。(情報は取材時のものになります)
2016年3月、横浜市金沢区で駄菓子屋を核とした、誰でもが立ち寄れるお茶の間サロンを運営することで、地域住民の多世代間に渡る交流と、安心して住めるまちづくりをめざすことを目的に設立した。
活動内容:子どもの居場所、駄菓子屋 多世代交流 子育て支援
代表:高橋秀子さん
取材日:2023年7月14日
取材者:大杉恭子(福祉クラブ)、桜井薫((公財)かながわ生き活き市民基金)
取材対応してくださった代表の高橋秀子さんと事務局の西田克也さん
1.団体の設立に至る問題意識、簡単な経緯、設立者の思いなど・・・・・・・
問題意識
・ジュピは愛犬の名前。20数年前、代表の高橋さんが金沢区並木の公団に住んでいたときに、息子さんが拾ってきた。当時公団はペットを飼うことができず、家族会議の末、富岡東に一戸建てを購入して、ジュピと共に引っ越してきた。
➤横浜市金沢富岡東地区は戸建て中心の古い地区、高齢化も進んでいる。その後、周辺にマンションが建設され子どもたちが増えてきた。
・自宅の一部を利用して駄菓子屋を営んでいた中で、地域の異世代間の関係の希薄さを実感。
世代を超えて地域の誰もが交流できる場所が必要ではと、犬仲間を中心に有志でサロンを運営しようと活動を始めた。現在、事務局を担う西田さんはその時の犬仲間である。
2016年3月7日ジュピのえんがわオープン
・物件探しを始めて、自宅の近所の古民家と巡り合う。築70年の空き家で、リフォームや耐震補強も必要であったが、縁側の存在を気に入り、月5万円の家賃で契約した。実は物件が決まる前からサロンの名前を「ジュピのえんがわ」と決めており、イメージにぴったりだったとのこと。
➤現在の縁側は古いサッシ窓を木枠の格子窓に替え、ブドウ棚も大きくなって、レトロな雰囲気満載の素敵な縁側になっている。数人の大人が入っても十分な広さがある。
2.活動内容・・・・・・・・・
・子どもの居場所 駄菓子屋の運営。伝統行事の継承。
・多世代交流 地域の人々の憩いの場、交流の場としてサロン運営
・子育て支援 主に多くの母と子(未就園児)が集い、情報交換ができる場所の提供
•日曜日 仲良しカフェ➤大人もこどもも駄菓子屋で買ったお菓子を食べながら、思い思いに過ごす。因みに平日は、こどもが駄菓子を食べられるのは庭のウッドデッキのみというルール有。
•月曜日 パンの日➤近くの「横浜パンの家」~仕入れ。注文も受け配達も行っている。以前は買い出しに行っていたが、今は届けてもらっている。パンの日は購入したパンをサロンで食べながらおしゃべりしていく高齢者が多い。
スリーA(認知予防、第1,3は富岡東地域ケアプラザの何でも相談室)
•火曜日 自彊術、健康体操、えんがわde包丁研ぎ(第2)
•水曜日 自彊術、健康体操、ぼんぼんたいむ(小学生、中学生の学習支援)
➤自彊術は人気のため枠が増えた。
•木曜日 新鮮野菜の日➤磯子区の農家から仕入れ。重量野菜は南部市場からも仕入れ。
•金曜日 ひだまり陶芸(第1) えんがわでとことこ(第2) 子育て支援。金沢区地域子育て支援拠点「とことこ」のスタッフが出張してくる)
•土曜日 定休日
•月一回、「ジュピのつきいち」➤富岡会館にイベント出店。地域、いつもと違う人へのアピール。駄菓子、野菜、パンの販売、他に大道芸(大道芸人ジーコさんの協力)や紙芝居ヨコハマママナビによるハンドメイドのフリーマーケット等を行ってきている。
•駄菓子屋は日~金➤駄菓子売り場は、玄関タタキの部分。
•その他、えんがわdeつるし雛、パソコン教室、子育て練習室、親子で寺子屋等開催
・ジュピのえんがわ室内の掲示企画 「えんがわギャラリー」調査日は「私の京都写真展」実施。
コロナ時対応
一番厳しい時期に3か月ほど休んだが、地域の方々からの要望や、ジュピのメンバーの意見で、なかなか外に出られない人が、家を出る目的になるといいなという思いからコロナ対策をして再開した。
今後に向けて
老若男女問わず『健康』は共通のテーマである。自彊術、健康体操は人気で枠も増えた。
こうした活動は維持していきたい。ジュピのえんがわに来ることで元気になるというイメージでという抱負を伺いました。
3.ヒアリング担当者の所感・・・・・・・・・・・・
・地区社協会長・事務局長、町内会長と民生委員・主任児童委員、ケアプラザ担当の職員が運営会議にかかわるなど近隣の団体とのつながりが密である。ヨコハマママナビ等若い世代の団体とも連携することで、企画内容も豊富化し、ヨコハマママナビのSNS発信を通してジュピのえんがわを知る人も増えている。運営メンバーが増えない課題もあるが、多様な企画を数多く開催できるのはこうしたつながりと自分ができることでの協力者が多いことがポイントとなっている。
・代表の高橋さんの思いと行動力がこのジュピのえんがわを実現してきたが、昨年から体調を崩し(難病指定とのこと)酸素吸入をしながらの対応であったことが心配。事務局の西田さんが、立ち上げ当初から共に歩んでこられており、広報担当でもあるのが心強いところではある。2016年から長きに渡る活動で地域での信頼も高まりつつあると感じた。古民家とはいえ、リフォームされて大変居心地のいいスペースである。高齢者が活躍できる場として今後も継続していってほしい。
(桜井 薫)
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