NPO法人霧が丘ぷらっとほーむは地域に住む様々なコミュニティの人がつながり、「楽しみ」「小さな困った事を助け合い」「学び合い」地域みんなで解決できる仕組みをつくることで、人の温かさが感じられる幸せな地域づくりをコンセプトに活動をしています。代表の根岸あすみさんにお話を伺いました。 (取材:競 啓子)
きっかけ
根岸さんは、育休中、子どもと公園に行ったときにインド出身の人たちと、日本人との交流がないのを見て、インドの人達と交流したい、井戸端会議がしたいと思いました。また、友人が一人で育児をしていて、大変な日々を送っているのを知りました。小さなヘルプでも頼める環境にしたいという思いから、「困ったらいつでも言って、私も助けてもらいたい」とヘルプを出しやすいように一言かけるようにしました。小さなたすけあいが子どものクラスのママ同士で広がりました。クラスだけでなく、地域で広げられないか?と思うようになったのが始まりだったそうです。
共同代表 左が根岸あすみさん 右が武藏幸恵さん
「ぷらっとkiricafe」オープンに向けて
当初根岸さんは、お花屋さんや着付けをしてくれる人の協力を得て、デポーの集会室で花と家族の写真館を不定期開催していましたが、その場でつながりが途切れてしまうことに課題を感じていました。いつでも人が集える拠点が欲しいと思っていたところ、URで店舗が空いていることを知り、ケアプラザで情報交流していた地域のシニア世代のチームと一緒にヨコハマ市民まち普請事業にチャレンジすることにしました。2次審査に通るには地域への説明など大変でしたが、近隣の学校を通して子ども達に名前を募集し、子ども達の参加を作ることになったり、地域の森の整備をしている団体から間伐材の提供があったりなど、地域を巻き込んで「ぷらっとkiricafe」のオープンに至りました。
コミュニティーカフェとして
ボランティアさんは、定年退職したシニア層が多いのですが、インド出身の人、中学生、困難を抱えた20歳、子ども食堂をやりたかったという人など様々。ボランティアさんたちの中で自然と曜日ごとにチームが組まれ、それぞれのこだわりメニューを提供するようになりました。ランチ代は年金生活の方でも週2回来てもらう価格設定として議論をして700円、ドリンク200円としました。クリーンメイトというお掃除のチームもあり、お料理しない人もそれぞれが得意分野を発揮しています。
また、学びあいもこのカフェの特徴の一つで、インド出身の方に子ども達が英語を教えてもらう代わりに、日本語を教える講座などを設けています。その他のイベントのアイディアも、普段の会話から出てくることが多いそうです。友人から、子ども食堂ではなく、子どもがひとりで家にいても、お米を炊いて食事ができるようになる食育をしたいという話を聞いた数日後、自身の目の病気で、今後家のご飯を子どもたちが作れるようにしたいというママ友から相談を受け、子どもの料理のイベントの実現につなげました。
取材した金曜日は「和食はお任せ!シェフの気まぐれランチ」の日
3色の押しずしでした。
取材した日の厨房スタッフ
写っていないけど、もうお一人、洗い物をしていた方がいました。
訪問した日のkiricafeでは、真ん中の大きなテーブルに年齢・性別とわず、ギターに合わせて歌をうたっている人たちがいて、壁側の席ではコーヒーを飲んでいる人たちもいて、いろんな人がこの場で思い思いに過ごせる場となっていることが分かりました。また、カフェの中には子ども達が遊べる手作りのキッズスペースが設置されていました。同じ部屋にいても大人とは別の世界で過ごせる、そんな子どものひそひそワクワク感がもてる楽しそうなスペースでした。
最後に
カフェオープンから1年半で充実した毎日を過ごせる場になっているのは、地域とつながって、たくさんの人が関わり、参加者の思いやアイディアを活かしてきたからだと思いました。誰かの支援のためだけではなく、自分たちも楽しんで自分の居場所となっているから、たくさんの人が集いどんどん発展していっているんだなと思います。
今後の活動に期待をしています。(きそうけいこ)
NPO法人 霧が丘ぷらっとほーむ
ぷらっとkiricafe
横浜市緑区霧が丘3-26-1 205
電話番号:045-489-9405
思い思いに過ごす人たち。
後ろの壁際には手作りのキッズスペースが。