特定非営利活動法人いごこちよか

 体育館を訪れると、元気な声が響き音楽にあわせて楽しそうに体を動かしている皆さんの姿が・・・その中でも、一番?楽しそうにノリノリだったのが、もしかして藤田さん?でした。取材は、実際の活動の日にとのことで、「ソフトエアロビクス」を楽しんでいらっしゃる様子を見学させていただきました。若いインストラクターを講師に、皆さんそれぞれのペースで楽しそうに体を動かしていらっしゃいました。    (取材:森 洋子)

 NPO法人「いごこちよか」は、藤田由美子さんを代表とする、障がい児者のための様々なワークショップを開催している団体です。主に相模原市けやき体育館で活動をされています。

 体を動かすプログラムは月5回定期的に開催され、その他にもお料理やアート作品作りなど、様々な体験ができるメニューも計画されています。9月には大きなホールでの音楽会も予定され、ハードルが高いと感じられる本格的な音楽会も楽しんで欲しいという思いで準備をすすめています。


取材に応じる藤田さん

活動を始めたきっかけ

 藤田さんが、この活動を始めようと思ったのは、ご自身の次男である息子さんがダウン症で、その息子さんが仕事が終わった後に楽しむ場所をつくりたい、ということでした。

 藤田さんは同級生だったご主人を39歳でガンでなくされました。その時、長男小6・長女小3・次男小1だったそうです。次男さんは小学校入学時からありとあらゆる外部資源を使って学校の送迎・放課後の生活のカバーをしてもらい、様々な人に助けてもらって、今は30代になり、グループホームでの生活で自立しています。そして藤田さん自身は中学校の教員を退職された後、それまで周りの人達にお任せしていた次男さんの生活に関わりたいとの思いから、地域づくり大学や社会福祉士の勉強をされ、障がい児者の「余暇活動」の必要性をより実感されました。


目指すもの

 障がい児者にとって余暇活動をするということは健常者よりもハードルが高くサポートが必須となることから、ニーズは高いものの現状はサポートが行き届いていない隙間の分野です。藤田さんは障がいの理解をすすめるような交流事業も目指しています。

 「障がい児者の余暇活動」は公的援助制度の枠組みが非常に少なく、自力で資金確保をすることが必要な活動です。参加者や支援の方が増えるよう、毎回ワークショップの内容も検討して開催してます。また、講師の方は、その道の専門家に依頼し参加者に満足度を持ってもらえるように配慮しているということでした。


公財)生き活き市民基金の助成金で購入した楽器で演奏する

最後に

 様々な活動を通してお互いが育ちあい成長し、支え合う時間をつくり、そして、安心して自分のペースで居心地良く過ごせる空間づくりを大切にしている「いごこちよか」。社会的に公的な支援もまだまだ十分といえない分野の先駆的な活動を継続していく必要性を感じているそうです。取材中も優しさ溢れる満面の笑顔で熱い想いを語る藤田さん。これからも頑張ってください!のエールを込めて、この活動を広く広報し、必要としている人達に情報が届くよう、また、応援する人を増やす協力ができたら、と思い取材を終えました。        

             (もり ようこ)

 


パンフレット

取材時のワークショップ案内チラシ