NPO法人 ぴあっと

 全員参加による地域未来創造機構では2025年度にWEBアンケートを行うとともに、20のアソシエーションにヒアリング調査を行いました。その内容をアソシエーション情報でご紹介します。(情報は取材時のものになります)

代表理事: 五十嵐 舞子

設立年月:2023年4月

設立の目的:主に発達障害と知的障害のある子どもたちとその家族にとって、安心して生きていくために必要な福祉情報の収集・発信や環境整備等に関する事業を行い、また、家族、学校等の先生、事業所などの専門職、支援者など立場の違う人たちが垣根を超え仲間となり、周囲の障がいへの理解をすすめる活動を展開することで、障がいを持つ子どもたちが地域の人とのつながりの中で自分らしく安心安全に暮らすことができることを目的としている。

主な活動内容:① 「ぴあっとカフェ」 (障がいを持つお子さんに関わる方のお話会・情報交換会)

② 「ぴあっと発達情報サイトみかた」

③ 発達支援のコミュニティ「チームぴあっと」

④ 講座 (福祉制度の説明や、先輩家族から体験談を聞く学びの場)

⑤ さがみはら発達支援発表会 (発達支援の実践を家庭・学校・事業所などの違う立場から発表)

⑥ 小中学校への出前授業 (地域の子どもたちへの発達特性の理解につなげる)

⑦ 発達支援に関するアンケート調査

取材日:2025年6月12日

取材者:桜井 薫(かながわ生き活き市民基金)  田中真人(参加型システム研究所) 

画像はホームページから転載

NPO法人ぴあっと 

左から事務局長杉山千恵さん、代表理事の五十嵐舞子さん



1.設立経過

 発達障害の子どもと家族の幸せのために、今後の人生をかけて活動したい

 代表の五十嵐さんは、自閉スペクトラム症と診断された子どもの母親として不安や孤独を抱えていた時期に、療育先の先生方や同じ経験をしたお母さんたちと出会い支えられ、徐々に前向きな気持ちなっていったという経験をした。一方で、自身のように支えとなる人と出会えない子どもや家族について考えずにはいられなくなり、同様の境遇にある人たちに本当に必要とされる支援が行き届くように行動することの重要性を感じ、今後の人生をかけて取り組みたいと考えた。子どもが小学校に入り自分の時間が持てるようになったのを機に、その思いを実現するため、NPO法人を設立して活動することを決意した。NPO法人を選択したのは、信用性の高い法人形態にすることで、行政や社会へのアプローチや将来考えている事業化をしやすくするためである。

出前授業

 写真はNPO法人ぴあっとから提供していただきました


取材の様子。左から杉山さん、五十嵐さん、取材者田中、取材者桜井
取材の様子。左から杉山さん、五十嵐さん、取材者田中、取材者桜井

設立準備期間に地域で人脈をひろげる

設立に向けては、子どもが通っていた児童発達支援センターのママ友や職員ひとりひとりに思いを伝え、共感してくれた人を中心に正会員10名を募った。NPO基礎講座、ファンドレイジング講座、NPOのための会計講座、創業実践セミナー等を受講。事業の3か年計画の作成をすすめるなかで地域の活動家や実業家などとの関係も構築していった。


2.ぴあっとの活動3本柱 

①企画開催

・「ぴあっとカフェ」、講座、さがみはら発達支援発表会等の企画開催

②情報サイト運営

・「ぴあっと発達情報サイトみかた」の開設  https://hattatsu-mikata.com/   

企画に参加できる人は限られている。自分の経験も踏まえて、今、外に行けない人にも必要な情報が届く仕組みをつくり“ひとりじゃないよ”と伝えたいとの思いから開設。

③コミュニティ形成

・発達支援のコミュニティ「チームぴあっと」の形成

本人、家族、支援者、専門家、地域や企業の方など誰でも参加でき、公式LINEでイベントの先行情報等が配信される。2025年現在、120名ほどが登録。メンバーは企画参加だけではなくボランティアでの手伝いを担うこともある。アンケートや要望等を聴くこともあり、意見収集の場となっている。

2023年9月16日、発達支援の情報サイトの開設。「ぴあっと発達情報サイトみかた」


学校教育課との面談

写真はNPO法人ぴあっとから提供していただきました

3.活動の進展

①他団体との連携で新しいことへのチャレンジ

・小中学校出前授業 

相模原市社会福祉協議会より小中学校出前授業ができないかとの声がかかる。それまでにつながった他団体とチームを組みプログラムを開発し、2年間で6校510名に実施。2025年度は市民ファンドゆめの芽の助成金交付事業となった。

・発達支援に関するアンケート調査をきっかけに市への要望活動が増える。

活動の中で多く声が上がっていた小中学校での課題について、「森のイノベーションラボFUJINO」と協働で市内の保護者を対象としたアンケート調査を実施し提言をまとめる。相模原市教育委員会の学校教育課と面談で提出。その後、他団体の企画で知り合った、こども・若者未来局長との懇談も実現し相模原市のフリースクールの補助などについて要望した。市議会議員とのネットワークも広がっている。

②「発達情報サイト」みかたの機能拡充<(公財)かながわ生き活き市民基金福祉たすけあい助成事業>

相模原市に特化した福祉制度や学校などの支援制度の具体的な情報、家族による子育て体験談や子育て4コマの掲載、発達支援に関するイベント情報などを掲載。2024年度、市内の福祉事業所のマップ検索や条件検索ができるように機能拡充し、新規ユーザー12,691人と伸長した。


4.今後の活動テーマと団体の自立に向けて

・今後のテーマとして、発達障害の家族や支援者のための「防災」を考えている。さらに、発達支援や障がい分野での研究や製品開発(発達支援グッズ、住環境等)をしていきたいと考えている。

・設立から3年目を迎え各種助成金も限りがあるため、今後は団体の自立した運営が課題となってくる。具体的には「ぴあっと発達情報サイトみかた」での有料サービスやバナー広告の掲載を開始したり、発達支援グッズの体験会・販売の検討と企業協賛を募る活動に力を入れたいと考えている。

ぴあっと発達情報サイトみかたには子育て4コママンガも


10月に読売新聞全国版で住まいの工夫についてなど9月開催の「住まいの工夫講座」の事を含めて紹介されました。

5.ヒアリング担当者の所感

五十嵐さんは地域活動で大切だと思うこととして、①やりたいという強い思い ②自分の強みを生かす③地域でのつながり ④情報発信の4点をあげられた。まずは、「自分がこうしたい」が大事だと強調。これは活動の方針を明確にし、ぶれさせないという点で非常に重要であると感じた。また、出会った人との関係づくりや情報発信を丁寧にされており、その結果として、新しい活動展開につながっていることがこの調査でよくわかった。現在、運営の中心メンバーは少人数だか、活動の中からみえてきた、新たに加わってほしい人に声かけしていく予定とのこと。この活動が長く持続できるよう運営体制の補強も期待したい。    (さくらい かおる)


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