全員参加による地域未来創造機構では2025年度にWEBアンケートを行うとともに、20のアソシエーションにヒアリング調査を行いました。その内容をアソシエーション情報でご紹介します。(情報は取材時のものになります)
理事長:奥平ます美
設立年月:1998年5月
設立の目的:住み慣れた場所で最期まで自分らしく生きることは、誰もが望むこと。移動や外出が困難な方々の移動を互助の精神で市民活動が担うことにより、高齢になっても、障がいがあっても、誰もが生きがいを感じ、いきいきと暮らせる地域社会の実現に貢献する。
主な活動内容:車(福祉車、セダン)と介助で外出全般のお手伝いを行う。外出準備や外出先などでの付き添い、トイレ介助、車いす介助等にも対応。
・病院や医院などへの通院・入退院・転院
・学校や施設などへの通学・通所
・買い物や墓参、食事・旅行などのお出かけ
取材日:2025年7月2日
取材者:大杉 恭子(福祉クラブ生協) 兼清 明(全員参加による地域未来創造機構)
画像はすべてケアびーくるから提供していただきました。
設立にあたっての想い
1988年にたすけあいの家事介護サービスを始めたワーカーズ・コレクティブ「想」から、通院や買い物などに困っている人たちがいる、何とかならないだろうかと相談を受けた。調べてみると、大和市は社会福祉協議会に委託して2台のハンディキャブで障害者や高齢者の通院支援を行っているが、利用登録者数500人以上、2ヶ月前に予約が必要。通院にしか利用できない。土日祝日、早朝夜間は使用不可などで予約や利用がしにくいことがわかった。民間の福祉・介護タクシーは大和市内には営業所がなく、相模原市内の営業所発着は少しの移動でも高額な料金が発生した。
自分たちもこのように外出や移動がしにくくなるかもしれない、今からできることをしようと考えるようになった。そして、お互いさまの精神で、外出や移動を支援したいという想いでメンバーを募りサービスを始めた。
リフレッシュのためのお出かけに同行。いつも笑顔の利用者さんにこちらが元気をいただきます。
「誰でも・いつでも・どこにでも」出かけられる移動自由の社会づくりをめざして
1998年5月に「ワーカーズ・コレクティブケアびーくる」を設立した。設立当初、資金も何もないスタートだったので、メンバーの出資金(1人2万円)で電話などを購入。事務所は持たず、転送電話を活用し日々の運行管理表は、メンバーのPC宛てに毎日送信して共有する形で始まった。翌年1999年9月にNPO法人を設立し、活動の社会的認知向上をめざす。
2000年3月には、大和市が市民活動団体と連携し、地域の福祉課題解決をめざすための取り組みとして実施した「市民福祉事業支援パイロット事業」でケアびーくるは、福祉車両・車いす・ストレッチャーの保管場所の提供を受けることに。
さらに2003年、大和市の構造改革特区(国が定めた規制緩和の特例措置を独自の計画を立てて国に申請し、認定を受けること)で、全国に先駆け福祉有償運送団体の第1号として許可(当時)を受け注目された。こうした背景には、「自分は違法なサービスを利用しているのではないか」との利用者からの不安の声や、宮城県で家宅捜索を受けた団体の情報などがあり、安心してサービスの授受を行うことが設立当初からの課題があった。構造改革特区に道路運送法80条1項の規制緩和メニューがあることを知り、市に特区申請を働きかけた。特区ガイドラインは使用車両を福祉車に限定していた。下肢障がいのない知的障がい者や高齢者等にはセダン型車両も必要であることを訴え、翌年のセダン型特区新設や2006年の改正道路運送法につながった。
こうして、利用者の要望に応えるため、大和市と協議・提案を重ねた結果、大和市がセダン特区に移行、マイカーの許可が可能となり、そして規制が緩和され通院以外の利用が大幅に増加することとなる。
以後、ケアびーくると大和市は、長期に渡り、密接な協働関係を築き、市民提案型の協働事業として高齢者や障がいを持つ方の移動支援(福祉有償運送事業)を中心に事業を進めている。
ケアびーくると大和市は、地域が抱える移動という重要な課題に対し、行政と市民活動団体がそれぞれの強みを活かし合う、まさに「協働」の好事例と言える。
月1回の定例会。報告や情報交換、ヒヤリハットを共有する貴重な時間です。
メンバーの確保、世代交代が課題
組織運営で一番の課題は、メンバーの世代交代が進まないこと、そして理事会メンバーも同様だと語る。様々な意見を持ち寄り、話し合い、進めて行くところがワーカーズ・コレクティブの良いところなので、メンバーの増員と理事会は定数(5~8名)最大にすることをめざす。
生活クラブでの活動がベースにあったから続けて来られた
お互いさまのたすけあい、困っている人をたすけたいという気持ちが基本にある。介護の現実というのは目の当たりにし体験することで、自分も何かできたら、という気持ちが生まれてくると思うので、それを如何に継承していくかが大事だと言う。
サービスを提供しているメンバーは、それぞれそのことを感じている。「○○をしてあげる」ではなく、「○○をしたい」「〇〇をしたら、この方は元気になるだろうな、笑顔になるのだろうな」などと感じることがある。こういうことの連続で今がある。
現在、設立当初のメンバーが残っている。それも大きいことだ。この諸先輩方が当初の気持ち、想いを発信しつづけてくれていることが何よりも大きい。世代交代していく中で、そうした声や伝える気持ちが小さくならないようにしていきたいという。
定期的に研修を行っています。
公共交通利用促進
最後に一言ずついただきました
〇奥平ます美理事長:設⽴当初からいるが運転免許がない私は、初めは私の居場所じゃないと思っていたが、親の介護が始まり、運行管理という家にいながらでもできることがあったから続けてきて良かったなと思う。今はこのケアびーくるという市⺠活動を次世代につなげたいという想いが⼀番強い。
〇首藤雅代理事:私も親の介護をしながらケアびーくるの活動に参加している。身内のみで介護していると疲れてしまうこともあるが、ヘルパーさんに来てらうことで私がケアびーくるの活動現場に出られたり、そしてその訪問先の家族に替わり私がお役に立てている。こうして地域でたすけあって、補いあうことで世の中をうまく回していけたら良いと思っている。
(かねきよあきら)
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