座間市入谷東にある私設図書館
「まちライブラリー@ざま☆ほしのたに文庫」。
2021年5月にオープンし、多世代が気軽に楽しめる居場所をめざしています。この小さな図書館を運営するBook Art ニワシドリ代表の飯島公子さんに話を聞きました。
取材:矢野克子
「ほしのたに文庫」は、小田急線の座間駅から線路沿いに8分程のところにあり歴史を感じる素敵な門構えが目印です。広い敷地の中にある建物の軒下には、子どもたちが自由に絵を描ける大きな黒板が設置されています。
この建物の大家さんが高齢になったお母様のためにバリアフリーに改築され、大家さんと知り合いだった飯島さんの夫を介して借りる事ができたとのこと。
中に入ると、小さい子どもから多世代が楽しめる2,000冊以上もの本が壁一面に並び、木のおもちゃ、美術作品も目を楽しませてくれます。
たくさん並んでいる本は、飯島さんが子育て中に集めた絵本や教師時代に学級文庫に置いていた本、寄付等で集まった本とのこと。本の他に小さなお子さんが楽しめるように木製のおもちゃや飯島さん作の木製のパズルなど、どれも興味を唆る遊び道具がたくさん並べられています。それは、日常とはちょっと離れた「癒しの場」でした。
「ナナメの関係 」が必要
長年、中学校 の美術教師をしていた飯島さん。本が好きで常々いつか子どもの文庫を開きたいと思っていたところ、たまたま食事ができると思って入った高齢者施設でまちライブラリーに出会ったのがきっかけという 。
「子育て中、子どもが大病を患い、退院してから家にこも る生活が続き、行く場がなかった。今の社会は 、タテ、ヨコのつながりはあるが、子どもにはナナメの関係づくりができる場が「必要」と語る。子どもの居場所や多世代の交流の場にふらっと来られるきっかけになる「本」があるといい。
文庫のつながりから広がる活動
取材に伺ったこの日は、月曜日でご近所のお子さん連れのママが遊びに訪れていました。飯島さんと顔馴染みの様子で和やかな時間が過ぎていました 。
「ほしのたに文庫」は 、週 2 日日曜日、月曜日の開館 。
文庫活動の他に、土曜日や長期休暇にはワークショップや小中学生の無料学習支援 、発達障害の親の会の茶話会の場としての活用も進めています。子育て支援の講演会や絵本紹介等も推進中。文庫活動をきっかけに地域で様々なつながりができ、活動が広がっています 。その一つの取り組み 「 巣箱ライブラリー 」巣箱のように小さな図書館は 、今後まちのあちこちに登場する予感がします 。
最後に「趣味で 週末ゴルフを楽しみに行くように文庫活動を楽しんでいます」という飯島さんの言葉が印象的でした 。