一般社団法人 リトルハブホーム

全員参加による地域未来創造機構では2023年度に20のアソシエーションにヒアリング調査を行いました。その内容をアソシエーション情報でご紹介します。(情報は取材時のものになります)

 2022年4月、子どもシェルター、児童養護施設、教職での勤務経験を持つスタッフが、児童虐待をはじめ子どもが育つ環境に関する課題が深刻化していることを痛感。コロナ禍で社会的孤立がさらに深まる中で、貧困、虐待など様々な背景を持つ子どもや家庭が安心して育ち合う場を実現することを目的とし”小さな拠点(ハブ)がつながれば、まち全体が一つのホームに”をコンセプトに、茅ケ崎で居場所を提供するべく茅ヶ崎市で設立に至った。

活動内容:①おむすび寺子屋 ②こどもおとな食堂 ③テーマごとの集い ④子どもの現状を知る養成講座・勉強会

代表理事:岩崎 愛さん

取材日:2023年7月5日

取材者:佐野充((公社)神奈川県自治研センター)、桜井薫((公財)かながわ生き活き市民基金)

 

画像はホームページリトルハブホーム (notion.site)から転載


1.団体の設立に至る問題意識、経緯、設立者の思いなど・・・・・・・

・子どもシェルター、児童養護施設、教職での勤務経験を持つ3人の設立メンバー(岩崎、塩谷、原田)が、児童虐待はじめ子どもが育つ環境に関する課題が深刻化していることを痛感していた。

・2021年 活動開始  

子育てひろば、ちいさなお話会などを開催。参加者が話せるスタイルを重視。

・2022年 茅ヶ崎市東海岸南にある『みんなの家』を開設

拠点を探していたところ、茅ヶ崎市東海岸南の古民家に出会う。(昔のおばあちゃんちのイメージ。築60年越え、二階建て、縁側、中庭、畳の部屋あり、家賃月11万円)


画像はホームページリトルハブホーム (notion.site)から転載

☆リトルハブホームがめざす3つのステップ☆・・・・

 Step1 きっかけづくり 

 活動時期22年度くらいまで

➤関心のある方が気軽に関われるきっかけづくり。 

 だがしや、ちいさなお話会、子育てひろば等を行った。SNSなどで参加よびかけ。単にお客さんにするのではなく、来た人が話せるようにすることにこだわった。その中から、得意なものを活かして企画の主催等、主体的な参加につなげていく下地づくり。

Step2 活動に参加する  

 活動時期23年度から

➤子どもも日常的に通えるような関係づくりをしていくことを目標にボランティアの勉 強会やコミュニケーション講座の開催 

・ボランティア登録・こどもたちと出会う・勉強会

 Step3 自分が拠点(ハブ)となる 

 今後

➤みんなの家の活動に参加された方、参加された方自身が子どもに伴走する人、拠点=ハブとなっていく。小さくても月一回でも拠点であるハブとなっていく。 

 めざす姿  

“たくさんの小さな拠点(ハブ)が繋がって、町全体が一つのホームに”


2.活動内容・・・・・・・・・・

① おむすび寺子屋

 ➤子どもが学習したり、温かいおむすびを食べることによって安心できる場 22年度32回開催

2022年6月以降、毎週火曜日15-17時開催 (火曜日、他週2,3回 長期休業期)

・登録制の学習支援の場、宿題を行った後、おむすびを食べる。

・対象 心理的安心が担保されるクローズドな空間での学習支援を必要とする児童

・茅ヶ崎市内、東海岸地区を主とし、小学生から中学2年まで。(民生委員からの紹介有)

 ② こどもおとな食堂 

 ➤誰でもこれる地域の食堂 隔週火曜日、12-14 こども無料

貧困で十分にご飯を食べられない、またはひとり親や親の帰宅が遅く孤食状態であるなど様々な背景を持つ子どもたちに対して、孤立しがちな一人暮らしの高齢者、障がいを持つ方など安心してご飯が食べられる場として開催。  茅ヶ崎市東海岸地区社会福祉協議会のサロン活動として公認

 ③ テーマごとの集い 

 ➤ゲストとのお話会や多様な交流会等の地域交流イベント

テーマごとに地域の有志の方々で開催。地域の方が気軽に参加でき、かつ社会課題を身近に感じるきっかけづくりの場とする。

・みんなの相談室(第一水曜日)・まちの保健室(第二木曜日) 地域の看護師さんがサロンを行う。

・みんなのプラットフォーム(第3土曜日など)

・赤ちゃん子育てひろば (産前産後から3才くらいまで、お子さんの広場として開催。ファミリーサポートの利用や相談できる助産師さん在中)

 ④ 子どもの現状を知る養成講座・勉強会

 子どもの現状やコミュニケーション方法を知る連続養成講習(年3回)や、社会的擁護に関する課題を共有する勉強会など定期的に実施。

➤ボランティア養成講座  令和5年度茅ヶ崎市市民活動げんき基金補助事業

画像はホームページリトルハブホーム (notion.site)から転載

3.ヒアリング担当者の所感・・・・・・・

 ・創立時メンバーの思いが強く、リトルハブホームの活動の芯になっている。塩谷理事が最初から大切にした参加者の話を聞く、お客さんにしないという点、参加者の主体性を引き出し、一人一人に丁寧に向き合い後押ししていく岩崎代表理事のマネジメント力、そして、広報の充実が柱になって短期間で目指すstepを確実に歩んできていると感じました。

・法人運営に関する事務周りや会計などの面から支えてくれる人達と出会って、協力してもらう態勢ができているのはポイントだと思いました。

・事務局長の宗野さんから、「思いのある市民が活動をしていくにあたり、法人運営や助成申請の仕方などは大きなハードルである。活動を継続的に進めていく上では、そうした面でのサポートが必要ではないか。」とのご意見をいただきました。市民活動の支援組織は数ある中で、このようなサポートを受けている活動団体は少ないのでしょうか。今回のヒアリングで、活動団体の継続的な発展のために受けるサポート支援として、法人運営や助成申請の仕方などについて中間支援組織や専門家からの支援を検討する必要性を強く思いました。

(桜井薫)