みんなの居場所 「れいんぼ~かふぇ」

藤沢市北部エリアを中心に「子育て世代のおとなの居場所」や「子どもの居場所」の活動をされているれいんぼ~かふぇ代表の鈴木理恵さんにお話を聞きました。                     (取材:飯田厚子)

きっかけはPTAの活動

 最初に鈴木さんに会った印象は温かくてやさしく人を包み込んでくれる懐の深い方だということです。

 鈴木さんが活動をするきっかけになったのは、小学校のPTAの役員でした。本部役員をすると1年間でも子ども二人分の活動として認めてもらえるという事で、子どもの学童保育で一緒だった人など、周りの人に声をかけて一緒にやっていく人を見つけて副会長になることにしました。

 PTAの活動を通して、周りの人にサポートしてもらい、やりたいことをやりながら、人と人との懸け橋になる仕事をしたいと思ったことや、市のPTA連合会に関わったことで、いじめ問題について何かしていきたいという思いが生まれ、「いじめ防止プログラム」のファシリテーターの資格をとり、小中学校でフリーランスの講師として働き始めました。

鈴木理恵さん


御所見の子ども食堂には60名もの参加が♪

 

コロナ禍で

 講師を始めてから1年でコロナ禍になり、いったん「いじめ防止プログラム」は中止となりました。コロナ禍以降、横のつながりがなくり、人と知り合うことが少なくなることが問題で、小さなすれ違いが、大きなトラブルへと発展してしまうことがあります。今こそつながりあえる場が必要だと強く思ったといいます。スクールカウンセラーに相談するほどではないけれど、どこかで誰かに話せる場が必要だと感じて、そんな場をつくろうと始めたのが「れいんぼ~かふぇ」です。

 相手に合わせることが支援なので、自分本位でこの活動を始めても続かないかもしれないと話していました。

 


れいんぼ~かふぇのスタート

 2020年に藤沢市の長後で、「れいんぼ~かふぇ」をスタートしました。この場所では、行くことがハードルにならずに来てもらいやすくすることを意識して、アロマ付きの子育て相談や軽食付の中高生の自習室等工夫をしながら行いました。

 2021年に始めた御所見スマイルカフェでは、鈴木さんは参加してくるお母さん達とお話しする時間をつくるため、子ども食堂をやりたい友人や子どもたちと遊んでくれる人を探して、午前は不登校に関するおしゃべり会、午後は子育てひろばと放課後のあそび場や子ども食堂を様々な人が運営に関わることを大切にして開催しています。自分がやりたい事、得意な人が集まってチームをつくって運営できたらと話していました。

 その後も「用田ひだまりるーむ」「‬湘南台ゆーすりびんぐ」湘南地区のおとなと子どもや、江の島に訪れた親子が安心して過ごせる場として「れいんぼ~かふぇ江の島」を始めています。

この日は、アメリカから輸入したスクールバスにボードゲームを乗せてチャーリーさんがやってきた


↑ フリースペースではりりーさんの工作コーナーが人気

いつも袋いっぱいのボードゲームをかついで来てくれるボドツナさん

これからめざすもの

 鈴木さんは、子育ての居場所を増やし、子どもの将来が生まれ育った環境によって左右されることのないまちづくりをめざしています。居場所を作ることが目標ではなく、居場所によってできた地域での小さい輪のつながりが広がってつながっていくことで、自然に人が集まってくるようなまち、居場所が必要のない社会をめざして今は居場所づくりをやっているそうです。最終目標は世界平和と大きな思いをもっていました。

 何をやりたいのか、何をめざしているのかに常に立ち戻り、自分が住んでいる地域をどんな地域にしたいのかを描きながら、大ぜいの人を巻き込んでやっていくことの必要性を感じました。

(いいだあつこ)