ひがしてらお倶楽部

 全員参加による地域未来創造機構では2025年度にWEBアンケートを行うとともに、20のアソシエーションにヒアリング調査を行いました。その内容をアソシエーション情報でご紹介します。(情報は取材時のものになります)

代表:佐久間眞弓

設立年月:2022年9月

設立の目的:高齢者の孤立感の解消、若いママの息抜き、子どもたちの居場所など、生涯を通じて関われる交流の場をつくる。

主な活動内容:こども食堂・コミュニティ食堂、居場所・サロン、フードドライブ

カフェ、金継ぎ、編み物等のイベント企画、デポーの買い物代行電話受付

取材日:2025年6月14日

取材者:奥村まゆみ  菅原順子(全員参加による地域未来創造機構)

せせらぎカフェの日には曲がり角には看板が

 



 生活クラブ生協東寺尾デポーに近い住宅のフェンスに「せせらぎCafé」という味のある字が書かれたおしゃれな看板がかかっている。その少し先のアパート1階の部屋の玄関先に「せせらぎCaféメニュー」と書かれた看板が出ていた。

お茶をのみながら話ができる場所がほしい

 中にはキッチンと奥の二間にイスとテーブルが置かれ、談笑している人が座っている。話を伺ったのは、代表の佐久間眞弓さん、副代表の柳澤富子さん、事務局の原田淳子さん、会計の赤木善子さん。生活クラブの消費材(食材等)を扱うデポー(店舗)建設の時から関わってきた代表の佐久間さんは、ワーカーズ・コレクティブデポットのメンバーになったときから何か地域の中でつながりをつくる活動をやりたいと仲間と話していた。ただ、日々の業務で忙しく、なかなかチャンスもなかったという。比較的高齢化の進んだ地域でデポーに来る組合員も高齢の人が多い。フロアで立ち話をする人が多く、その姿をみて、お茶を飲みながら話ができる場所があるといいと思っていた。

※ワーカーズ・コレクティブデポット:デポーの業務全般を生活クラブ生協から受託している自主運営・自主管理型の事業体。2023年に労働者協同組合の法人格を取得。


ワーカーズ・コレクティブデポットを定年退職!チャンスがきた!

 ちょうどデポーを拠点とした居場所づくりの助成事業(生活クラブデポー活用新機能スタートアップ助成)が始まったところで、そのコーディネーターをしていた城田喜子さんも東寺尾デポーの組合員。生活クラブ生協は、デポーを拠点として活用し、地域コミュニティづくりをすすめることを方針化している。早速、立ち上げに前向きな人たちで声を掛けあい、2022年の8月に約20人が集まって説明会が開かれた。みんながそれぞれやりたいことを出し合い、やれることを絞っていった。なんと、その9月にはアソシエーション「ひがしてらお倶楽部」を14人で設立。デポーを拠点とする「多様なコミュニティづくり」、対象を組合員だけに留めず「地域に開かれた取組み」、「モデル性、先進性、波及性のある取組み」などが認められ917,429円の助成を受けることができた。デポー集会室の壁紙、畳を替え、2023年4月から毎週土曜日11:00~16:00に「せせらぎCafé」をオープン。2024年には、鶴見区ふれあい助成金を受けることができ、「子どもカレー」(無料)に踏み切れた。ふれあい助成金は広報などには使えるが、食品購入には使えないのでなかなか資金確保が難しいが、ご近所の意志のある方々からお米などの寄付があり助かっている。2024年度は「子どもカレー」76食を提供した(全体では320食)。地域のまつりでアピールし、「子どもカレー」に地域の人が来ることもあるが、通常2~3名で少ない。

 グラスリッツェン(ヨーロッパ伝統の手彫りガラス工芸)や編み物などのイベント企画では、講師料はかかっていないが、イベントはコーヒー付きで200円+材料費で参加できるので、参加者にとってはお得なイベントだという。

 さらに、組合員間のたすけあいの活動を広げるため、毎週土曜日に電話で注文を受け、買い物代行ケアグループに取り次ぐ活動も行っている。2024年度は年間49回100件をケアグループにつなげた。


賛助会員100名を目標に活動!

 「せせらぎCafé」には昨年977名の来店があり、全収入の45%(約33万円)を賄っている。そして重要なのは収入の約13%を占める賛助会費。年会費1000円(コーヒー券5枚付き)で、総会報告や企画のお知らせを発信し、100人達成も見えてきた。地域のまつりに参加したり、自治会や地域ケアプラザなどとも関係性を築きながら地域の認知や共感を高めることにも取組んでいる。

 ひがしてらお倶楽部のメンバーは現在13名で、40代~80代までと幅広い。それぞれに担当を持ち、代表者会議・定例会議を行って意思疎通をはかり、共有することによって、シフトなどでもお互いに意見を言いあえる仲になっているという。毎年ひがしてらお倶楽部の総会を開催し、前年度の活動を振り返り、次年度の活動の方向性、計画を全員で確認する。

 


寄付金で運営できるようにしていきたい

 地域のお年寄りが3日くらい同じものを食べているという話を聞いたりすると、安否確認を兼ねた配食サービスや食堂などもやってみたいという。そのために現在のデポー集会室でなく、独自の場所を使ってやりたいが、家賃や水光熱費を考えると難しいといいつつ、次の展開にも目を向けている。

 ひがしてらお倶楽部の仲間たちが、日々の活動や業務の中で見える地域の現状に問題意識を持ち、同じ思いを持つ仲間たちとアソシエーション組織をつくり、アイデアや情報、お金(メンバー会費)も出し合い試行錯誤しながら地域の拠点づくりを進めてきた。組合員や地域の人たちのちょっとした話の中から問題意識をもち、課題を見つけ、それを解決する手段を話し合いながら実際に形にし、協力しながら運営する。地域に少しずつ浸透していく努力をし、カフェやさまざまな企画、賛助会員の呼びかけなど、自主運営を模索している中に、小さな民主主義のあり方と希望をみることができた。

(すがはらじゅんこ)