全員参加による地域未来創造機構では2025年度にWEBアンケートを行うとともに、20のアソシエーションにヒアリング調査を行いました。その内容をアソシエーション情報でご紹介します。(情報は取材時のものになります)あそびの庭は2回目の掲載になります。1回目はこちら 一般社団法人 あそびの庭
代表理事:渡辺優子
設立年月:2021年2月
設立の目的:一般社団法人あそびの庭の活動は、ʻあそび心が広がる豊かな体験の場を創り出し、子どもも大人も自分らしく心豊かに生きられる、あそびに寛容な社会づくりʼを目的としてスタート。その根底にあるのは、今を生きる大人や子どもたちの中にある「生きづらさ」や「息苦しさ」などの社会的課題の解決である。子どもにとって遊ぶことは生きることそのもの。「あそびの庭」が一番しあわせにしたいのは子どもたち。そのためには大人もしあわせにしたいという思いで2020年10月に思いを同じくする5人の仲間で任意団体を立ち上げた。
主な活動内容:誰でもどうぞの居場所事業 「はらっぱベース」平日の月・水・金10-16時、大人は運営協力金のお願い。不登校の子どもたちの居場所づくり。
・「親たちの会」 はらっぱベースのある日に月1回程度
・個別マイペース学習支援「寺子屋ゆみちゃん」はらっぱベースのある日に週1回程度
・「はらっぱマルシェ」 毎月第一土曜日 11時~15時※7.8.9月:夜市:17時〜20時
・地域の大人とともに 学ぶ=遊ぶ「空飛ぶ教室」 月一回程度 参加費は500円から
・地元でキャンプ「あそびの庭キャンプ」 春 秋 東大果樹園跡地
取材日:2025年7月8日
取材者:上石 理恵(湘南生活クラブ生協) 桜井 薫(かながわ生き活き市民基金)
1.設立にあたっての思いと設立時の経過
・代表の渡辺さんが二宮に暮らし地域で活動を始めた頃は、政治と暮らしをテーマにしたお話会や東大果樹園の跡地での小さな活動だったが、コロナ禍でそれらが中断してしまった。当時、不要不急の外出もままならず、遊びは後まわしというような風潮にもなり、小さな子どもを育てていた仲間同士で、これからの人生をどう生きたいのか、何を大事にしたいのか、命より大切なことがあるのかといったことを話す中、「遊び」を核とした寛容な社会を創ろう、ということになった。それをきっかけに思いを同じくする5人の仲間で2020年10月任意団体「あそびの庭」を設立した。「遊び」というものが軽んじられているのではないかということを大人に問いかけたいというのが一番の原点。
・渡辺さんの地域活動のスタートは、「にのみや子ども自然塾」(2015.7活動開始)冒険あそび場を作っている任意団体に、5才と2才の子どもを連れて参加したこと。子どものみならず大人が楽しそうだった。自分もやってみたいと思って飛び込んだ。ここで、遊びとは、学校とは、教育とは、暮らしとは、生きるとはといった様々なことを話し合える仲間を得た。「あそびの庭」と「にのみや子ども自然塾」は今でも連携し、一緒に活動している。
この奥のあたりが「はらっぱベース」
2.設立からの活動の変遷
・設立当初は、いつもの暮らしの中でちょっと遊び心があれば遠くに行かなくても地域で思いっきり遊べるをコンセプトに、二宮町をあそびの庭にする「あそびの庭キャンプ」「にのみや暮らし市」「大人の遠足」や地域の人たちと連携するための企画「父ちゃんたちの課外授業」、地域の学校と連携した「一色小学校ウォークラリー」などイベント事業が多かったが、単発の活動では伝えきれないこともあった。コロナ禍で、もっと日常に寄り添う活動ができないかという思いがメンバーからも出てきていたことと、“みらいはらっぱ”が出来上がるタイミングとが重なり、そこを活用して誰でも来れる居場所づくり、学校に行けない子どもたちや町の教育支援室に行けない不登校の子どもたちの居場所づくりをすすめたいということになり、誰でもどうぞの居場所事業をスタートさせた。
3.現在取り組んでいる活動の紹介
・誰でもどうぞの居場所事業「はらっぱベース」不登校の子どもたちの居場所づくり。ルールは特になく、お昼をみんなで作って食べたり、東大の果樹園跡地であるみらいはらっぱ内やコンテナのまわりで、大声出したり、好きなことをして過ごせる地域の居場所。平日の月・水・金10-16時 利用料は特に謳っていないが、大人には運営協力金をお願いしている。
・「親たちの会」、「寺子屋ゆみちゃん」、「あそびの庭キャンプ」、「はらっぱマルシェ」など
・企画は会員制の「あそび人」と一緒につくることも。参画することで費用面での支援を継続してくれることも多い。
4.現在の課題とその克服のために取り組んだこと、今後強化したいことや新たに取り組みたいこと
・立ち上げから助成金を活用しながら運営する中、はらっぱベースでは不登校の子を無料で受け入れてきた。昨年は一日に10人以上の来場があり、スタッフを増やして対応したが、個別の対応なども必要になりボランティア活動での限界を実感した。活動に集中できるようスタッフには、ある程度の報酬が出るようにしたいが、そのためには助成金だけでは賄いきれない。スタッフ勉強会で何度も話し合いを続け、親の会では賛否両論あったが、朝からくるご家庭には運営協力金をお願いすることになった。協力金を払って来続ける子、利用回数を調整する子、来なくなる子がでている。また、これを機会に学校に行くことを選んだ子もいた。こうした状況は行政も把握しており視察が増えている。不登校の子の出席日数に入れるには、個別のカリキュラムや相談体制の確立が必要で、今のガイドラインでは私たちの活動は認められない。今後、議員や他団体との連携も視野に入れ、行政にアプローチしていくことが課題。保護者が町にフリースクール補助金の陳情を出す動きもある。
5.ヒアリング担当者の所感
渡辺さんの考える「遊び」とは、子どもたちが自らやりたいと思うことをやってみること。失敗しながら得るもの、それが「遊び」の価値であり、娯楽やサボりなどとは違う。(例えば、鬼ごっこであっても主体的に参加したものでなければ、「遊び」ではない)。ホモルーデンス(あそぶ)という言葉のように、本来人間は遊ぶことで進化する生き物であるという。そして、制度よりもまなざしひとつで人は変わる。大人のまなざしが変われば、子どもが変わる、世界が変わる。この地域にはこの思いに共感する人の輪が広がってきており、渡辺さんたちのめざす「遊び」を核とした寛容な社会は近づいているのではないかと思いました。訪れた日は「みらいはらっぱ」に吹く風と果樹園跡地の散策が心地好く、ここで思い思いに過ごす子たちの姿が目に浮かびました。二宮に根ざし地域に開かれた誰をも受け入れる懐の広いこの場所があれば大丈夫!そう感じました。今後の進化も楽しみです。
(かみいしりえ)
ホームページはこちらから 一般社団法人 あそびの庭


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